元中学校教員が語る、合唱指導モームリ!こんなときどうする?

中学校の大きな行事のひとつである「合唱祭」。新任の先生にとっては、生徒指導の経験を積む貴重な場でありながら、一方で大きな試練となることも少なくありません。合唱そのものの出来栄え以上に重要なのは、行事を通じてクラスをどうまとめ、トラブルや衝突をどう乗り越えていくかです。

実際の現場では、練習が始まるとすぐに課題が見えてきます。やる気の差が大きく、一部の生徒ばかりが頑張る構図になってしまう。パートリーダーを任された生徒が責任に押しつぶされ、涙する。意見の食い違いから口論に発展する。

あるいは「どうせ頑張っても無駄」と冷めた雰囲気がクラスに漂い始める──こうした出来事は決して珍しくありません。 新任の先生にとって大切なのは、これらのトラブルを「失敗」と捉えないことです。むしろ、合唱祭の練習過程で起こる衝突や不満は、クラスを一つにしていくための大事なプロセスなのです。

教師の役割は、問題をゼロにすることではなく、「問題が起きたときにどう関わるか」にあります。 例えば、意欲の低い生徒には無理に叱咤するのではなく、役割の与え方を工夫し、小さな成功体験を積ませる。リーダーの負担が大きすぎる場合は、責任を分散させ、周囲に助けを求める姿勢を肯定する。意見の対立が起きたときには、単なる「仲直り」を求めるのではなく、生徒たち自身に「どうすれば納得できるのか」を考えさせる場をつくる。

こうした対応の積み重ねが、クラス全体の成長につながります。 合唱祭は、教師が一方的にまとめる場ではなく、生徒たちが互いにぶつかり合い、支え合い、折り合いをつけていく過程そのものに価値があります。だからこそ、先生自身が「完璧に運営しなければ」と気負う必要はありません。

むしろ、葛藤や摩擦が起きたときにこそ、生徒たちが自分たちの力で一歩前進するチャンスだと捉えてください。 今回の動画では、元教員の立場から、合唱祭で実際に起こりやすいトラブル事例と、その対応の考え方を具体的にお話しします。新任の先生が「合唱祭を乗り切る」だけでなく、「クラス経営を学ぶ絶好の場」として活かしていただけるヒントになれば幸いです。

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